2017.11.02
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2017.11.02

【第3回外食部会】ご報告〜ビールの美味しさを阻む”劣化”の罠

2017年10月21日(土)第3回外食部会@西宮北口。

レポート第2弾の今回は、Beer Cafe Barley店主 服部さんから伝授いただいたビールの品質管理による味わいの違いや、料理とのマリアージュについての様子をお伝えします。


「ビールのことは服部さんに聞けば大体わかる」と事前にお店の常連さんにも伺っていたので、始まる前から期待で胸が膨らみます☆ 

 

【ビールをおいしく飲むために必要なこと!劣化篇】

まずは、サッポロラガービール(通称:赤星)を使っての”劣化”を知るブラインドテスト。

A:熱劣化したビール
B:日光にさらされたビール
C:新鮮なビール
の3種類を順番に出して、どれがどのビールか飲み比べて考えてもらおうというテスト。
今回はこのために、厨房の熱い場所に置いておいたり、太陽が当たる場所に置いておいたりと、わざわざ”劣化”した瓶ビールをご用意いただきました。

それぞれのグループのテーブルに用意されていたプラスティックコップに注いで、飲んで・・・を繰り返していただきます。

3種類を飲み比べてみて、「・・・えーーーー!わからない!!!」だとか「2番目だけは劣化してるのはわかるんだけど」とか、それぞれの感想が一通り飛び出したところで、服部さんからの正解発表。
19名中6名が”新鮮なビール”と答えた、最初のビールは・・・「熱劣化したもの」。
19名中5名が”新鮮なビール”と答えた、2番目のビールは・・・「日光にさらされたもの」。
そして19名中8名は・・・大正解!
意外に新鮮なビールは当てられないものなんですね。
ちなみに、服部さん曰く、熱劣化したビールの特徴としては、「段ボールのようなペーパー臭がする、とよく表現されます」とのこと。やはり夏にはよく遭遇するそうで、瓶ビールだけではなく、樽生でも遭遇することはあるそうです。
また、日光にさらされたビールは、30分程度太陽に当たっただけでも臭いがついてしまうそう。こちらの臭いの特徴は「スカンキーアロマ」だとか「アンモニア臭にも似た香り」だと表現されるそうで、日光を通しやすい緑色の瓶やIPAではよく起こりがちとか。こちらは樽生の状態では起こることはないそうです。

「それだけいつも劣化しているビールを飲んでいるってことなのか?!」
と、ラボ社社員のみなさんもちょっとショックを受けていらっしゃいました。

 

【ビールをおいしく飲むために必要なこと!温度篇】

続いては「温度」の差を味わうということで、2種類の温度の差をつけた瓶ビールをご用意いただきました。

まずは7度~8度くらいに冷やしたビール。
2本目は3度くらいに冷やしたビール。

この温度差については、どちらが良いという訳ではなく「好み」の問題だそう(もちろんビールのスタイルによって適切な温度はありますが)。
ただ、すべてのアルコール類は糖分がアルコールに変わっているという製法ゆえに、甘みと苦みのバランスが大事。
冷えすぎると”甘み”が感じにくくなり、相対的に”苦みと酸味”を感じやすくなるということもあるので、苦み、酸味が苦手な人はあまり冷えすぎたビールは好みではないのではないか、とのことでした。

 

【多様なビールの味わいと料理とのマリアージュ】

続いては、Beer Cafe Barleyの真骨頂ともいえる、ビールの多様性について。
今回は5種類のビールの飲み比べをご用意いただきました!
お店のオリジナルグラスを目の前に、みなさんワクワクが止まりません☆

 

●チェコのローカルビール「ノヴァパカクンブラク」※テイスティングのみ

多くの皆さんがご存知かと思いますが、チェコは世界でも有数のビール大国。日本でおなじみの「ピルスナービール」の本場としても有名ですね。
なんと国民一人当たりのビール消費量は世界一!なんだそうです。
そんなビールの本場であるチェコのビールからは、服部さんが「ローカルビール」と表現した「ノヴァパカクンブラク」です。
「少し甘みを感じるかもしれません」と、服部さん。
実は、最後に参加のラボ社社員のみなさんに「今日一番気に入ったビール」を選んでもらったのですが、チェコのローカルビールが結構多くのみなさんに選ばれていてビックリ。
「飲んだことはあったけども、こんなに美味しいのは初めて!」という声も多数聞かれました。

 

●グーズランビック「リンデマンス キュヴェルネ」※テイスティングのみ

続いては好き嫌いが結構出てくるグーズランビック。ビールと思っている口の中に入れたら、びっくりした!という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
独特の酸っぱさは乳酸からなり、酵母などは一切添加していないそうです。
空中にある自然の酵母や細菌を利用して、数年をかけて木の樽の中で長期熟成されるため、大変高価になるんだそう。
そのせいか、参加者のラボ社社員からは「山崎のウイスキー工場の貯蔵庫の香り」と表現される方も。
また、ビールには珍しくウイスキーのように「ブレンダー」という職業が存在し、自社でブレンドしてから瓶詰するという製法を取っているとのこと。
普段から多様なビールに慣れ親しんでいるラボ社社員の方々からも「どうしてもランビックだけはまだ克服できない」だとか「ここ(Barley)で出してもらってから実は飲めるようになったんだよね」という声も聞かれました。



●南ドイツスタイル ヘーフェヴァイツェン「シュナイダーオリジナル」× ミュンヒナーヴァイスブルスト(白ソーセージ)

続いて3本目は、ヴァイツェン。日本でも割と一般的になってきたビールのうちの一つかと思いますが、酵母入りの小麦ビールと言われるものです。
ヴァイスビール=白ビールとも呼ばれるので、液色も白っぽいイメージがありますが、すべてのヴァイツェンが白く濁っているわけではないそうで、このヴァイツェンは少し濃い液色をしています。酵母の香りに特徴があり、クローヴであるとか、バナナであるとか表現されることが多いです。

今回こちらに合わせるおつまみは「ヴァイスブルスト」という白ソーセージ。地元では「足が早いソーセージなので、作ってすぐ食べる朝の食べ物」と伝統的に言われており、頑なにそれを守って朝しか出さないお店も未だにあるそう。
「今は冷蔵技術などもありますからね、いつ食べてもいいんですよ」と笑う服部さん。
みなさんも一度は食べたことがあるのではないか?という白ソーセージですが「皮も食べれなくはないけども、ぜひとも皮をむいて中のふわふわとした部分だけを食べて!」というのが服部さんのこだわり。甘いマスタードを合わせて、ビールで流し込めば・・・至福の瞬間!といったようすのラボ社社員のみなさんでした。

 

●バンベルクスタイル メルツェンラオホビール「シュレンケルラ メルツェン」× スモークベーコンとスモークチーズ

4つ目に登場したラオホビールはドイツにある世界遺産バンベルグという街の名物ビールです。
「ラオホ」というのは「煙」という意味で、麦芽を乾燥(焙燥)する際に、ブナの木を燃やして燻煙するのが特徴です。この麦芽を用いて醸造することで、スモーク香がついたビールに仕上がるのだそう。
ちなみに、このスモークされたビールの香りの表現として、日本人の中には「かつおぶし」と表現する人もいるそうです。
まだ飲んだことのない方は、ぜひ香りを楽しんでみてくださいね!

麦芽がスモークされてつくられたビールなので、スモーク料理にもピッタリ☆ということで、今回はスモークベーコンとスモークチーズをご用意いただきました。
チーズはイベントの朝に仕込んだものとのこと。何のチーズを使っているかは・・・「企業秘密」とのこと。
ぜひお店に行って確かめてみてください!

 

●フランダースレッドエール「ドゥシャス デ ブルゴーニュ」× ベーコンとプラムのピンチョス

ついに最後のビールになってしまいました・・・
みなさん「フランダース」といえば思い浮かべる、あの悲しい物語がありますよね。
まさにそのフランダース地方(ベルギーのアントワープ近く)のビールになります。
オーク樽で熟成、乳酸発酵させているので、酸味が強く、樽香も感じることができるワインに近い味わいを楽しめるビールです。

おつまみは、よく「トマトと合う」ともいわれるのですが、今回はプラムをベーコンに巻いたものを用意していただきました。
ビールの酸味にプラムの酸味がよくマッチして、さらにグラスがグイグイ進んでしまう、ラボ社社員のみなさん。
本日最後のビールだけに、名残惜しくマリアージュを楽しんでいらっしゃいました。

 

【ビールの多様性を広げるために】

「ビールの多様性を伝えたい!」という思いでBeer Cafe BarleyをOPENさせた服部さん。今回の外食部会もまさにその思いがひしひしと伝わる内容でした。
服部さんは「今回の会を通してみなさんにビールの多様性を少しでも知ってもらい、今後周りの人にも広げていってもらいたい。「ビールといえば餃子!」(もちろんとーーーーっても美味しいですが)だけではないビールの世界もあることを、みなさん一人一人が「伝道師」となっていっていただければ・・・」とおっしゃっていました。


服部さん、ビール愛溢れるいいお話をたくさんありがとうございました!
通常営業でも飲んでみたいビールの相談や、マリアージュなどのお話もできるそうですので、お近くにいらした際にはぜひぜひお立ち寄りください。
「このあたりでお昼から飲める貴重なお店です」というのは、今回このお店をご紹介くださった特命部長栗山さん談。

そんな服部さんのお店はこちら・・・
Beer Cafe Barley:http://www.beercafe.jp/
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こちらの報告の感想については、外食部ミッション20にて受け付けております。
ぜひ感想などをお寄せいただければと思います。
外食部→→→https://100beer.talk-it.jp/projects/26/

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